昨今、「自由に働ける」「高収入」といった話題が上がりやすいIT業界なのですが、WEB系受託企業で300時間/月稼働した感想を書きたいと思います。
この記事はジュニアエンジニアやミドルエンジニアを想定している記事です。
同じ様な働き方やIT業界の働きづらさに怯えている方の参考になれば幸いです。
前提
所属先の簡単な概要です。
厳しい社内リソースと案件数だったため、高稼働の状態でした。
またタイトルで受託企業と謳っているのですが、元々は紙を扱った業種の会社だった為、古い体制が残り続けている会社となっています。
そのため、システムを構築する期間を度外視した案件のとり方をしてきた結果が悲惨な状態を作り上げていきました。
種別 | 受託 |
チームメンバー | 7ヶ月間は2人。最後の3ヶ月は4人。 |
案件数 | 12 |
案件概要 |
...etc |
なぜ300時間を耐えたのか
結果的に退職することになったのですが、まずは何故300時間の働き方を耐えてきたのかをお伝えしたいと思います。
一般的に「1日8時間×月20日+残業(5〜20h)=180〜200h」の働き方が普通だと思います。
そんな普通の働き方と比較して過酷な300時間の働き方を10ヶ月間も耐えたかというと自分の技術を伸ばしたいという目標があったからです。
前職はエンジニアの人手不足、社内の技術ストックもない状態でしたので自分自身で目の前の案件を乗り切るしか方法がありませんでした。
そのような状況下で働き続けたので肉体と精神を削って確かな技術を得ることができました。
前職に入社するまでは、末端作業員レベルだったものが炎上案件を複数こなしたことで、1エンジニアとして市場に出れるレベルになったと思います。
まだまだ足りない技術のほうが圧倒的に多いのですが、エンジニアとして名乗れるラインには立つことができたので目標達成です。
300時間働いて良かったこと
1→10までやらせて貰えた
要件定義からテストまでの工程を自分が主軸となって経験できたのが何より得難いものでした。
各工程を経験したことによって、どのくらいの期間でどのレベルまで仕上げるのかが少し想像することができるようになりました。
小規模案件が多かったのでまだレベルは低いのですが、工程ごとに躓きやすい部分や作業者の負担について考える良い経験をもらいました。
また、1→10の中で特に経験できて良かったことを挙げます。
- 要件定義
本当に必要な機能なのかを含めて顧客が求めているものは何なのか、顧客が求めているものは予算と納期にマッチしているものなのかを考え、話すことができました。
※ITについて知識が浅い顧客も中には存在していたので、技術可否や機能の不必要の判断を見誤ると案件が火を吹きます。(1つの案件で火吹いちゃいました。)
- 設計
システム設計から始まり、外部設計,内部設計,DB設計などたくさんのことを考慮して、全体設計を考えていきました。
設計って経験が必要ですね。。。
- 技術選定
何を使ってシステムを構築するのか、ある機能を実装するために必要なパッケージの導入など。
受託先企業の内部を見ることができた
エンジニアならゲロを吐きそうになるデータの持ち方をしている企業さんやエンジニアなら何でも叶えてくれるという考え方を持った人に出会いました。
世間ではDXやIT化の推進などが叫ばれていますが、それらを達成するためには時間が必要なことを実感できました。
技術に対するお金の考え方が身についた
1エンジニアが個人単位で売れるものは技術ですが、会社単位で見るとお金になっているのは作り上げたシステムがもたらすITによる恩恵です。
受託企業では「複数の言語を書くことができます!」といった技術よりも、ITによる恩恵が重要だと思います。
何ができるかよりも何を達成することができるのか。
ただし、エンジニアである以上、技術にこだわる必要は絶対にあるはずです。
お金と技術が必ずしも比例していくわけではないので、ここは引き続き悩み続けていきたいですね。
300時間働いてダメだったこと
体に異変
特に感じていたのが以下の2つです。
- 体重-7キロ
- 些細なことでカッとなる
300時間働くということは何かを削る必要が出てきます。
自分の場合は「睡眠」と「食事」でした。
フルリモートということもあり1日1食、6時間睡眠がデフォルトとなっていました。
その結果、上記の異変が体に起きてしまいました。
得た経験が多かった反面、体への負担もかなり多かったと思います。笑
社内を変えることができなかった
退社する時には僕を含めて4名のチームでした。(先輩エンジニアも300時間)
月300時間働くということは人数に見合わない案件数や納期の短さ、部長がITに精通していないなどが挙げられるのですが、問題となっている原因を変えることができないまま退職することになりました。
解決できなかった問題を社内に残る人たちに押し付ける事は辛いもんですね。。
最後に伝えたいこと
目標があり、その目標を達成できる仕事ができるのであれば無茶な働き方をするべきだと思います。
技術がほしい、お金がほしいなど目標がある方であれば多少の無茶をしてでもご自身の目標を掴み取ってほしいものです。
反対に目標がない(楽できれば良い)、目標に沿わない仕事しかできないのであれば、僕のような無茶な働き方はしないで欲しいです。
炎上も悪くないものですが、ご自身で考えて決定して行動していってほしいです。