このサイトにはプロモーションが含まれます

【AWS】ユースケースからみるSESとSNSの違い

SES(Simple Email Service)とは?

SESは、電子メールを送信するために設計されたクラウドベースのサービスです。

マーケティングメールやトランザクションメール(注文確認メール、パスワードリセットメールなど)の送信に最適化されており、高い配信性能とスケーラビリティを提供します。

SESを使用すると、大量のメールを迅速かつ効率的に送信することができ、スパムフィルターを回避するための機能も充実しています。

やんやん

プログラマーとしてLEMP環境に主に生息しており、DevOps 的な立ち回りをしながらご飯を食べている当ブログの管理人のやんやんと申します。
最近はTmux使うのを辞めました。

 

SNS(Simple Notification Service)とは?

一方、SNSは、テキストメッセージ(SMS)、メール、Lambda関数、HTTP/HTTPSエンドポイントなど、複数のプロトコルを介してメッセージを配信するためのフルマネージドなパブリッシュ/サブスクライブ(Pub/Sub)メッセージングサービスです。

パブリッシュ/サブスクライブ(Pub/Sub)について

メッセージ指向のミドルウェアパターンの一つで、メッセージの送信者(パブリッシャー)と受信者(サブスクライバー)を直接結びつけることなく、メッセージを非同期に交換することを可能にします。
このパターンは、分散システムやマイクロサービスアーキテクチャにおいて広く採用されています。
主な特徴として、スケーラビリティ、柔軟性、耐障害性があります。

パブリッシュ/サブスクライブの基本概念

  • パブリッシャー
    メッセージを生成し、トピックにメッセージをパブリッシュ(公開)する役割を持つコンポーネント。パブリッシャーは、メッセージを受け取るサブスクライバーについて知る必要はありません。
  • サブスクライバー
    特定のトピックのメッセージを受信したいと宣言するコンポーネント。サブスクライバーは、自分が興味のあるトピックを購読し、新しいメッセージがパブリッシュされると通知を受け取ります。
  • トピック
    メッセージを分類するための論理チャネル。パブリッシャーはメッセージをトピックに送信し、サブスクライバーはトピックを購読します。

パブリッシュ/サブスクライブの利点

  • 脱結合
    パブリッシャーとサブスクライバーが直接的に結びつけられていないため、システムの各部分を独立して開発、更新、スケーリングすることができます。
  • スケーラビリティ
    新しいサブスクライバーを追加することで、容易にスケールアウトすることが可能です。また、パブリッシャーとサブスクライバー間の負荷を効果的に分散させることができます。
  • 柔軟性
    新しいサブスクライバーをシステムに追加する場合、パブリッシャーのコードを変更する必要がなく、システムの拡張が容易になります。
  • 耐障害性
    一部のコンポーネントが故障しても、他のコンポーネントの動作には影響しません。これにより、システム全体の耐障害性が向上します。

SNSは、アプリケーション間でのリアルタイムメッセージングや、アプリケーションとユーザー間の通知送信に適しています。

例えば、システムのアラート通知、プッシュ通知、または大量のユーザーに対する即時情報の配信などに使用されます。

SESとSNSの違いとユースケース

SESのユースケース

  • マーケティングメールの送信
    新製品の発表やセール情報など、大量のマーケティングメールを顧客に送信する際にSESを使用します。
  • トランザクションメールの送信
    ユーザーが行ったアクション(例:購入やサインアップ)に基づく自動メールの送信に適しています。
    これには、注文確認メールやアカウント認証メールが含まれます。
  • メール送信のスケーラビリティと配信性能の確保
    高い配信性能を必要とする大規模なメールキャンペーンに対応できます。

SNSのユースケース

  • システムアラートの配信
    システムのダウンタイムや異常を検知した際に、開発者やシステム管理者にリアルタイムで通知します。
  • プッシュ通知の送信
    モバイルアプリケーションのユーザーに対して、重要な更新やニュースをプッシュ通知として送信します。
  • 複数チャネルを介した広範なメッセージング
    SMS、メール、HTTPエンドポイントなど、複数のプロトコルを介して大量のユーザーに即時情報を配信する場合に使用します。

SESと併用するAWSサービス

Amazon CloudWatch

SESのメール送信活動に関する監視とアラート設定。
CloudWatchを使用して、メール送信量、配信率、バウンス率などのメトリクスを監視し、特定の閾値を超えた場合にアラートを受け取ることができます。
これにより、メールキャンペーンのパフォーマンスをリアルタイムで把握し、問題が発生した場合に迅速に対応することが可能になります。

AWS Lambda

SESからのメール送信をトリガーとした自動化プロセス。
例えば、ユーザーからのフィードバックメールを受信した際に自動的にデータベースに記録する、または特定のキーワードがメールに含まれている場合に別のアクションを起こすなど、多様な自動応答システムを構築することができます。

SNSと併用するAWSサービス

AWS Lambda

SNS通知をトリガーとしてLambda関数を実行する。
これにより、アプリケーションのスケーラビリティと柔軟性を高めることができます。
例えば、システムのヘルスチェックに関するSNS通知を受け取った際に、Lambda関数を使用して自動的に復旧処理を実行することが可能です。

Amazon DynamoDB

SNSを使用して、DynamoDBテーブルの更新情報をアプリケーションやサービスのエンドユーザーに通知します。
例えば、コンテンツ配信プラットフォームで新しいビデオが追加された際に、その情報を購読者にプッシュ通知するなどが考えられます。

総合的なアプローチとベストプラクティス

SESやSNSを他のAWSサービスと組み合わせることで、メール送信やメッセージングの自動化、監視、そしてアクションの実行をより効率的に、かつ効果的に行うことができます。
例えば、SESを用いたメールキャンペーンの効果を監視するためにCloudWatchを使用したり、SNSの通知をトリガーにしてLambda関数を実行し、特定のビジネスロジックを自動化したりすることができます。

これらのサービスを組み合わせることで、開発者はアプリケーションの柔軟性を高め、ビジネスニーズに迅速に対応することが可能になります。
また、AWSの広範囲にわたるサービスエコシステムを活用することで、セキュリティ、スケーラビリティ、管理の面でのベストプラクティスを実現することができます。

SESとSNSの効果的な使用により、ビジネスのコミュニケーション戦略を強化し、エンドユーザーに対してより良い体験を提供することができるでしょう。
AWSの豊富なサービスとの組み合わせによって、これらのメッセージングサービスのポテンシャルを最大限に引き出しましょう。

まとめ

SESとSNSは、それぞれ異なる目的で設計されたAWSのサービスです。

SESは主にメール送信のためのサービスであり、マーケティングやトランザクションメールの送信に適しています。
一方で、SNSはプッシュ通知やアラートなど、広範囲にわたるメッセージングニーズに対応するためのサービスです。

どちらのサービスも、現代のデジタルコミュニケーション戦略において重要な役割を果たしており、適切なサービスを選択することで、効果的なメッセージングソリューションを実現できます。

Twitterでフォローしよう

読んでみーな
おすすめの記事