DNSの設定をしようとすると、必ず出てくる「ホストゾーン(Hosted Zone)」という言葉。
「ドメイン名はわかる。example.com のことだろ? でもホストゾーンって何? ドメイン名と何が違うの?」
わかります。名前が似ているからこそ、ややこしいですよね。
大丈夫です。この2つは「表札」と「住所録」の関係だと考えれば、一瞬で理解できます。
ドメイン名 =「表札」
これは簡単ですね。
ドメイン名(DomainName)は、インターネット上の「家の表札」です。
google.comexample.co.jp
これがないと、誰もあなたのウェブサイトやブログにたどり着けません。
しかし、表札だけでは不十分です。
表札(example.com)があっても、「その家のどの部屋に行けばいいのか?」「郵便物(メール)はどのポストに入れればいいのか?」がわからないからです。
ホストゾーン =「住所録」
そこで登場するのが ホストゾーン(Hosted Zone) です。
ホストゾーンは、そのドメイン名(表札)に関する「指示書」や「住所録」をまとめておくファイル(コンテナ)のことです。
一言で言うとホストゾーンとは、「DNSレコードの集合体」です。
example.com という表札(ドメイン)には、example.com のためのホストゾーン(住所録)が必ず1セットで存在します。
「住所録」には何が書かれている?
この「住所録」(ホストゾーン)の中には、具体的な指示書である「レコード」がたくさん入っています。
あなたが気になっていた A や CNAME は、このレコードの種類のことですね。
- Aレコード (Address Record):
- 役割: 「部屋番号」です。
- 指示内容: 「
www.example.comへのアクセスは、192.0.2.1というIPアドレス(サーバーの場所)に案内しろ」
- CNAME (Canonical Name Record):
- 役割: 「別名」や「転送先」の指定です。
- 指示内容: 「
shop.example.comへのアクセスは、www.example.comと同じ場所(Aレコード)を見ろ」
- TXT (Text Record):
- 役割: 「メモ書き」や「本人確認」欄です。
- 指示内容: 「このドメインの持ち主は私です(GoogleやMicrosoftへの本人証明)」や「迷惑メールじゃない証拠(SPF)」を書いておきます。
- MXレコード (Mail Exchanger):
- 役割: 「郵便ポスト」の指定です。
- 指示内容: 「
example.com宛のメールは、mail.google.comというメールサーバーに送れ」
念の為これだけ覚えておこう
- ドメイン名:
example.comという「名前」(表札)
- ホストゾーン:
example.comに関する「設定ファイルの入れ物」(住所録)- 中身は レコード(A, CNAME, TXT, MXなど)の集合体
DNSを設定するということは、ドメイン名(example.com)のホストゾーン(住所録)を開いて、「www のAレコード(部屋番号)を 1.2.3.4 に書き換える」といった作業をすることだったんですね。
これで「ホストゾーン」と聞いても、もう身構える必要はありません!


